『毒カワ・森カワ』

かわいさをガチで問う「ＡＫＢ総選挙」が行われたかと思えば、一般女子の間では、男目線を気にしない「女子会」が流行したり、「カワイイ」の実態やターゲットが分からなくなってきた今日この頃。

色々な言葉にくっついて使われてきた「カワイイ」という言葉だが、最近は、いわゆる「カワイイ」の真髄―スウィートで、ちょっと子供っぽくて―といったような、本来の意味で言うところの「カワイイ」が極端に拡大している気がする。

見出しを見ると、「毒カワイイ系」「森カワイイ系」の２派が目につく。最近のＪＪは、吉川ひなの・平子理沙・梨花が理想像。皆実年齢に比較して、見た目年齢も趣味嗜好もかなりカワイイ面子なのは確かだが、ごってりまつ毛や、過剰に光らせたまん丸チークなど、細部を見ると、ある意味毒々しい。それらのパーツに宿したアイデンティティと、実年齢とのギャップの大きさが、妖怪感を醸し出し、過度の「盛り」は、違和感という「毒」に通じている、と感じさせる。

一方、この秋最注目のトレンド人種とも言える「森ガール」。ｍｉｘｉ最大のコミュニティから発生したネーミングで、ノスタルジーとサブカル臭のある、ガーリーなほっこり女子を指す。「森」と言いつつエコやロハスのようなエシカルな感じがなかったり、メイクも普通に可愛く凝っていたり、ファンタジー的なものが好みだったりする。

毒カワも森ガールも、姫とか森の妖精とか、子供の頃に刷り込まれたファンタジーに通じるところがあり、両者をカバーするフォロワーは、意外と多いのではないかと思う。シビアな現実社会や時流に嫌気が差して、ファッションや持ち物にはファンタジーを求める女子が増えているあらわれではないだろうか。全般的に「ネオテニー化＝子供がえり」していると言ってもいいかも知れない。