『夏ボディ２０１０』

女性の身体意識に変化がみえはじめた。
女が求めるカラダよりも、男が求めるカラダ像に近くなっている。最近のボディネタで特徴的なのは、「細く」とか「軽く」という言葉がほとんど見られなくなっていること。

そして、小悪魔ａｇｅｈａとＳＰＵＲにはこんな究極の見出しまであった！
◆世界初！！見るだけでヤセる本？
〜ジムとかムリだし、辛いのキライだから、せめて見るだけでヤセなきゃって気持ちになる本（そしていつのまにか努力できちゃう本）作りました？（小悪魔ａｇｅｈａ８月号）
◆運動は一切いたしませんけど、何か？
大人ですもの。お金で解決しちゃいます　他人まかせの「おなか」やせ！（ＳＰＵＲ８月号）

「やせる」はまだ健在だが、目指すカラダ像はすでに、「何が何でも細い体」ではなくなっている。「ぽにょ」なカラダがいいという流れは、現実逃避、自分に甘い？注目すべきは、「ぽにょ」「ぷりっと」「ぷるん」のように、さわり心地表現が増加している点。「見せる」ためのファッションよりも、「触られる」ための実践向きといえそうだ。

新潮流は、ぷり・ふわ・ぽにょっ などの、パ行オノマトペ表現。鍵は「質感」にある。パ行だと、音からしてなんとなく可愛いから、女子界としてもアリ。また、「うらやま胸」「おいしいカラダ」「可愛い脚」みたいに、主観的な表現もよく見られる。言葉としても、カラダ像としても、「ボンキュッボン」みたいなパンチは今求められていない模様。

しかし、「ぽにょ」「ぷりっと」「ぷるん」「うらやま胸」「おいしいカラダ」…まさに男目線ではないだろうか。もちろん、男子ウケを考えてのことだけど、自分自身を「男目線」で見るという高等技術。一昔前の「ガリガリ痩せ志向」から考えると格段に進化を感じる。

美白至上主義のため、水着にならない女子も多いようだし、メイクの精密っぷりとは逆に、ボディはざっくり可愛いければいい。着るものもゆるふわ系だし、セクシーな状況も少なくなっているであろう中、己のカラダを正面切って晒す必要がない→別に、そんな努力しなくてもいいんじゃね？という思考に至っても不思議ではないのだ。