『私たち、「〜ですが、何か？」』

開き直りの極地的な、「〜ですが、何か？」という見出しが目につく。ここまで一つのイメージを主張するのは、かつてない動きだ。というのも、ここ数年、「可愛ゴー可愛い＋ゴージャス）」とか、「エロカワ（エロい＋カワイイ）」とか、「ちょいワル（ちょっと不良）」みたいな、良く言えば「１本で２度おいしい」「お手軽な感じ」、悪く言えば「優柔不断で逃げ道を作っている」ような曖昧コトバがあふれていたから。

ケンカ腰のような表現。それはまるで「子供から大人になる反抗期」のよう。

もうひとつ注目すべき点がある。あくまでも「主語がIではなくＷＥ」であること。「私たちってこうなのよね〜♪」といったように、団結、連帯、みたいなことを連想させるキャッチは、人類皆兄弟という感じではなくて、「校風」に象徴されるように、ある一定の条件をクリアした枠の中の「私たち」の連携。オンナという「性」特有のいやらしさも出してもいい気分だ。

特にこの傾向が強いのは、世間でいう「アラフォー」世代。購買意欲・能力や、生き方の選択肢の多さなど、多方面からかなり期待されている「アラサー」に比べ、人生の折り返し地点のせいか、迷ったり焦ったりもがいたり…と、どちらかというと後ろ向きなイメージで語られることが多かった「アラフォー」。

が、バブル世代だけあって、ここに来て急に往年の元気さを主張。一時代を築き上げた自信があるものの、結婚・育児などで第一線を離れていたことから来る「置いていかれている」感もあり…その両者がせめぎ合って、やけに頑固に肩肘はって見える。自信満々なら、取り立てて主張することはないはずだから。