『年齢論も進化中』

日本の女性の大半はくくられ好きで、くくられることに喜びを感じる。今や、30歳、40歳、50歳という年齢をあらわす言葉も、オバサンというマイナス表現ではない。立派な「くくりコトバ」なのだ。

20代は、かつての「エビちゃんもえちゃん」のように、△△派、××派…というくくり派閥コトバが乱立する。30代オーバーともなると、細かい派閥は影をひそめ、年齢をあらわす言葉が最も重要な「くくりコトバ」となる。30歳くらいにブレイクする女性タレントが多いのは、雑誌やジャンルを越えた「生き方共感型のアイコン」となるからだ。

例えば、安室奈美恵やＳＨＩＨＯ。20代の頃にいくら彼女たちが人気だったとしても， 「私とはキャラかぶらないよね」と興味が沸かなかったのに、30を越えると、「同世代」ということで親近感を覚えるようになる。30代オーバーになると、時代を超えて生き残った人が、まるでその世代の代表になったかのように、ステージを上げる。

ジャンルまたぎで成功するアイコンに共通するのは、「年齢の割に若く見える」というような単純なことではない。「必死さや不自然さはイタイ」と一蹴される現在、アンチエイジングに求められることとは、「老けないようにする」とか「若く見せる」ことではなく「古く見せないようにすること」なのだ。40代を無理矢理30代に見せようとする必要はもうない。あくまでも今どきの商品を今どきの方法で使って、「今どき感のあるリアルな40代」を目指す女性が支持されるのだ。

アンチエイジングに求められるのは「若さ」から「鮮度」へ。日本の女性たちの意識が、再び進化していることは間違いない。