ここ3年のお金意識の変化〜メルカリ・ユニクロ編〜

ここ最近(2016年あたりから)の女性たちのお金意識変化を、過去のイマドキ女性図鑑※をふりかえりながら考えていきたいと思います。
※イマドキ女性図鑑:弊社の会員制レポート「月刊 女性潮流研究所」の連載企画。
消費のスタイルが一気に変化したのが2016年、今から3年前のことでした。革命を起こしたのはメルカリですよね。

このイラストは2016年にコッコ先生に描いていただいたものですが、今振り返るとちょっと間違っているかも。というのも、おこづかい稼ぎではないですよね。この当時は、使わなくなったものを売って、臨時収入♪という意味合いが強かったのだと思います。
この半年前の2015年9月に「日経デジタルマーケティング」でメルカリご担当者が「ユーザーの声を聞いて想定していなかったのが、メルカリで6ガケで売ることを想定して新品を買う人も多いということ。それは自分たちでは想定していなかったことだった」という話をされていたのが特に印象に残っていました。が、当時はやはり断捨離していらなくなったものを出すという感覚が強く、オモテのトレンドにはなっていなかったので、そこはイラストには反映しなかった記憶があります。が、2016年後半から、その流れは一気に加速して行きましたね。
化粧品企画コンサルタントとして衝撃だったのが、使いかけ(直接肌につけたかもしれない)コスメも、「神経質な方はご遠慮ください」という殺し文句ひとつあれば立派な売り物になるということでした。この件については、メルカリと三菱総合研究所が20189月に発表したデータにもくっきりあらわれています。
【シェアリングエコノミーに関する意識調査】

https://about.mercari.com/press/news/article/20190226_mercari_mri_research/

ここでは一部をご紹介しますが、面白いので是非元リンクをご覧ください。
<新品購入の際に、将来売却することを意識するか?>

●調査対象
フリマアプリで洋服を売買したことのある20歳以上の男女で、3ヶ月に一回アプリを利用している人(化粧品は女性のみ)
●質問&回答
新品購入の際に、将来売却することを意識するか?
(新品)洋服65%
(新品)化粧品50%
百貨店のいわゆる「デパコス」の限定品発売日は、伊勢丹新宿店ですと地下の駐車場まで列ができるくらいに殺到するのですが、これが理由だったのですね。数回チャチャっと使って、インスタにアップして、そのあと転売。高価な買物もハードル低くなりますよね。(このような消費行動をする人の率もこの調査では出ています。是非、ごらんくださいね。

女性潮流研究所として驚いたのは、ブランドの意味が変わったことです。特に洋服。
メルカリで売れるから…という理由で、UNIQLOやGUがいわゆる「ブランド」として認められるようになったのは大きいです。昔は「ユニばれ」「ユニ被り」っていうことばもありましたが最近はそんな概念がなくなりました(ユニばれは2009年前後に盛んに使われていたことばだから、もう10年前の話なんですね)。
「ブランドが買えないからUNIQLOを仕方なく買う」という消費スタイルでしたよね。今はUNIQLOは立派なブランドなのです。
もっと細かい話になると、節約したいからメルカリっていう単純な話ではないのですよね。インスタグラムでは、おしゃれな人の#UNIQLOコーデをたくさんみることができます。よし、このコーデしよう!とUNIQLOのお店やネットショップに行ってみるものの、サイズがない!!!でもこのコーデしたい!となるとメルカリに行くしかない。最近は、ブカブカのシルエットがトレンドなのですが、店頭に言ったらLサイズは品切れってこと、よくあるのですよね。だから、消費者お助けサービスの役割も担っている。
とはいえ、わたしが打撃を受けたのは、出品する人ではなく、買う人の意識変化かな。今までの中古品(ちゅうこひん)といえば「使い古し」でしたよね。そうじゃなくて「使いかけ」なのです。もったいない系リサイクル品やレア系アンティークは中古品ですが、使いかけは中今品(ちゅうこんひん)なんですよね。まだ売れ筋真っ最中の状態のものが転売される。新製品企画に関わる人間としては、新たな競合。という反面と、2008年のリーマンショック以来消滅しつつあった「ブランド」という意識が消費者に復活したのは、嬉しいことだとも思っているのです。
お金トレンドについては、まだまだ続きます!
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